2012年1月27日金曜日

レポート:「美学校アーカイブサロン 1969-NOW」第一夜

普段お酒の席でしか話さない美学校藤川代表の貴重な話をみんなで掘り下げながらアーカイブ化していこうという企画「美学校アーカイブサロン1969-NOW 美術?飲まなきゃやってられませんよ。そんなものは。」の第一回目が1月26日に行われました。




第一夜のテーマは「バウハウスと美学校」。19時スタートにも関らず18時頃に美学校から姿を消し、19時過ぎになってやっと会場に姿を現した藤川代表。どこへ行っていたのかと問いかけるまでもなく、赤く火照ったその顔立ちから近くの立ち飲みで一杯ひっかけきたんだということは一目瞭然。アルコールが入らないと人前で喋れない、喋っても半径一メートル以内の人には聞き取れないような小さな声で喋る意外とシャイな藤川代表。

そんな美学校の名物代表を囲んで、お酒を飲みつつ、トークというよりも座談のような和やかな雰囲気でスタートした第一夜は、バウハウスの話から始まって、60年代の美術界から美学校の設立の話、藤川代表の美学校についての考えなど、19時から始まって23時まで休憩を挟んで丸々4時間たっぷりと聞くことができました。

数々の名言が飛び出した4時間でしたが、個人的に特に印象に残ったのが「美学校が俺にとっての作品だ。」という一言。学校が自分の作品だなんて、この人をおいて言える人なんていないじゃないでしょうか。








本当に貴重な一夜となった第一回ですが、告知が直前だったため来たいけど来れないという人が多く、そんな人たちのためにUSTREAMの配信動画を記録として残しました。動画はコチラからご覧いただけます。

次回第二夜は2月19日を予定しています。藤川代表の話を聞きに是非お越しください。(皆藤)

2012年1月12日木曜日

レポート:生涯ドローイングセミナー中間発表展「ライン ビヨンド ライン」

年明けの1月4日から8日にかけて、2011年度生涯ドローイングセミナー中間発表展「ライン ビヨンド ライン」が開催されました。今回はその様子を写真中心にレポートしていきます。


展示は美学校の二教室を使って行われました。今回の出展者は、浅岡真世さん、Uさん、四宮康平さん、竹浪音羽さん、玉木雅子さん、西山栄美さん、宮嵜浩さんの計7名ほか、特別出展として、講師のO JUNさんと宮嶋葉一さんも出展されていました。

会場全体の様子です↓



下の写真は、左がOJUNさん、真ん中が宮嶋さん、右の三点がUさんの作品です。


こちらは先日の天才ハイスクールの展示にも出品していた宮嵜さんの展示。会期中ずっと公開制作をしていて、作品がどんどん増えていきました。


こちらは竹浪さんの作品。板に描いたりて立てかけたり、小学校の頃に使っていたノートに挟んで展示していたりと、展示の方法もとても面白かったです。



下の写真は玉木さんと西山さんと作品です。



会場にはホワイトボードが置いてあり、来場者が自由に感想や絵などを描けるようになっていました。
ビフォア

アフター

以上です。お正月にも拘らず多くの人にお越しいただきました。どうもありがとうございます。生涯ドローイングセミナーでは4月にも修了展を開催するようです。次回の展示も楽しみにしていてください。(皆藤)

2012年1月10日火曜日

美楽塾レポート

本日は、美学校2011年度10月期講座“美楽塾”のレポートです。
2012年も、まだまだ続きます。

昨年10月から月1回のペースで始まった“美楽塾”も、早くも4回を数え、残りあと3回となりました。
なかなか名前からは想像がつきにくい当講座、実際にどんな授業が行われたのか、ここまでの4回分を、簡単ではありますが、ご紹介してきます。


『現代の芸術教育などに於いては、"如何に処理して、如何なるアウトプットを実現するのか"ということのみに眼が向けられ、それを当然として疑う者が少ない。しかし、真実には、そうした技術論以前に"如何なるインプットを"という問題こそ重要であり、良質のインプット無しには良質のアウトプットは あり得ない。美しいインプットに貪欲であれ。』
“美楽塾”講師JINMO

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第一回 ゲスト:遠藤ミチロウさん

記念すべき第一回のゲストは、ミュージシャンの遠藤ミチロウさん。
“元スターリン”という肩書が浮かぶ人も多いであろう遠藤さん。しかし、氏の才能はパンクロッカーとしての枠には留まりません。対談では、スターリン時代からのアルバムジャケットのアートワークについての話や、現在ソロになってからの声を楽器的に用いた表現“バキュームボイス”の発生についてのお話、そしてJINMO氏によるipadアプリを用いた“バキュームボイス”の周波数解析と、聴覚が脳に及ぼす影響についての考察まで行われました。その後、JINMO、遠藤両氏による白熱のライブで幕を閉じました。











第二回 ゲスト:Klaas Heckmanさん

美楽塾、二回目のゲストは、オランダ・ロッテルダムからBass Sax奏者/前衛ジャズ音楽家のクラース ヘックマンさんをお迎えしました。およそ200年前に作られた愛用のバス・サックスを演奏していただきましたが、そのサックスから繰り出されるナチュラルな低周波“ドローン”は、体に重厚に響き渡りながらも、クラブ等で流れる突き倒されるような重低音とは異なり、とても心地よく豊かな音色なのが印象的でした。またお話の方も、西洋と東洋の音楽感の違い等、興味深い話題となりました。最後は、Your shit(=outcome) is made from what you eat.という名言?で、締めくくられました。








第三回 ゲスト:G.M.ナイルさん

12月の美楽塾は、年末スペシャルと題して2週連続開催。第三回にあたる今回は、味覚にも美は宿る、として日本最古のインド料理専門店 銀座ナイルレストラン店主であるG.M.ナイル氏を迎えました。ご自身のルーツと日本の歴史との深い関連や、倫理観のお話、ご家族、お家、お店等の“自慢話”まで、縦横無尽に駆け回る舌、強烈なインプットとなりました。
自宅の庭の装飾について、「いいんです。他の人がどう思おうと、私が芸術だと思えば、芸術なんです!」という言葉には、共感し、改めて力を得た人もいることでしょう。予定時間を大幅に延長した今回、最後に参加の皆さんに同店の名物:ムルギーランチを味わってもらいながら、Jinmo氏による生演奏も加わり味覚と聴覚の共振を味わっていただきました。






第四回 ゲスト:なつみ女王様

2週連続スペシャル第二弾、第四回目の美楽塾は触覚の美。ゲストはフェティッシュ文化の第一人者であり、同時に茶道、華道の師範でもあるなつみ女王様。今回は、実際のBDSMの世界で使用される様々な道具(ムチ、ろうそく、ガスマスク、ディルド、ロープなど)をお持ちいただき、実際に参加者にマスク装着や、縛りやロウソク、一人一人にお土産のラバー手袋、などを“楽しく”体験していただきながら、“授業”を行いました。先入観で見てしまいがちな世界ですが、実際に触れてみると、その“感触”の世界に共感し、ロウソク体験には行列ができるなど、みな奥底にあった好奇心を解放し、刺激的なインプットを満喫しました。
最後には、JINMO氏、なつみ女王様と専属M男さんによる、電気刺激装置を使ってのSM実演も行われました、ギターの音色とシンクロし、共鳴するM男さんの喘ぎ声、「痛みよりも、女王様にしてもあっているうれしさの方が勝つ」というM男氏の言葉に、その強烈な刺激と信頼の絆の世界をかいま見るなど、非日常の世界を堪能した一夜でありました。そして、参加者みなでいただいた女王様の“聖水”の廻し飲み体験は、生涯の思い出となることでしょう。



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(文:広報室 福士)