2012年9月26日水曜日

音楽コース立ち上げのご挨拶+講師サミット

はじめまして。

この秋から新設される音楽コースの番頭をさせていただく長尾と申します。


美学校では、古くは小杉武久さん、近年ではL?K?Oさんや伊東篤宏さんらを講師にお招きし、音楽のクラスを行なってきました。そうした伝統を引き継ぎ、発展させるべく、音楽コースを充実させていければと思っています。よろしくおねがいします。

さて2012年の現在、やれCDが売れないだの、著作権法改正だの、音楽産業を巡るニュースは、必ずしも明るいものばかりではありません。
しかし、個人が音楽を作る/楽しむ環境は、かつてないほどに充実していると思います。

毎週あらゆる場所でチェック仕切れないほどのイベントが行なわれ、そこには無数のコミュニティがあり、各人が自由に各自の志向を謳歌できる。東京近郊にお住まいの音楽好きの方であれば、こうした状況は良くお分かりの事と思います。

そうした細分化したシーン、セグメントされた多様性を楽しむ様々な作り手&聴き手が、この美学校・音楽コースという場で混ざり合うこと。それこそが、この講座の大きな可能性であると考えています。

ネット〜SNS等は本当に便利で、コミュニケーションの拡大を多いに促進していますが、やはりそれだけでは片手落ちです。オンラインだけでは、混ざり合わない/繋がらない、文化やコミュニティ間のミゾは、確実に存在します。

しかし、そのような、ハイコンテクスト文化であるが故の『超えられない壁』は、『実際に同じ場で出会う』というシンプル且つアナログな解決策であっさり乗り越えられたりもします。「趣味は全然違うけど、しゃべってみたら何となく気が合った」これで万事OK。


あとは一緒にコラボ作品を作ったり、好きな音源やイベントを紹介し合ったり、SNSアカウントを交換したり、呑みに行ったりすればよいのです。

学校というのは、偶然にもいろんな人が集まり、否応無くいろんな考えが混ざり合うアーキテクチャです。そして、そんな『未知との遭遇』は、いつだって僕たちをわくわくさせてくれることでしょう。


是非音楽コースをチェックしてみてください。



さて、堅苦しい挨拶はこのあたりにして…

先日、音楽コース立ち上げにあたって急遽開催された『美学校・講師サミット』の様子をレポートしていきます。





パネリストは、岸野雄一、大谷能生、高山博、中ザワヒデキ、松蔭浩之、マジック・コバヤシの6名+代表の藤川公三とゲスト参加の佐藤直樹(敬称略)です。


今回のサミットでは大きなテーマとして『そもそも表現って教えられるの?』という所から切り込んで頂きました。



藤川「教える、教わるっていうのはなんだろう。学校って必要なのか。というのをいつも考えているわけです」



藤川「この場所を作るのは基本的に「出会い」の為です。出会いが重要なんです


岸野「経験を組織化するというかね、そういうのはとても重要だと思います。家でなんでもできる時代とか言っていますが、何も起きないですからね。家にいたら」


松蔭「先生はナビゲーターでいいんです。抑圧はいけない」


大谷「そうとう説明しないとおもしろく思ってもらえないという時もあります。キックの四つ打ちがどれだけ面白いかっていうのを説明するのに100年分の音楽史を話すんですよね

高山「時間軸上に音を乗せていって何らかのものを作る。そして本人が作品と呼べるような物にするという感じで授業を進めています。


松蔭「僕はモダニズムやダンディズムを伝承したい。同じ事を言い続ける」


岸野「僕は生徒から教わる事の方が多いです







美学校講師陣に負けず劣らず個性的な音楽コース講師陣でした。詳しい実況はこちらから。

次の私の更新では、個別の講座を解説させて頂ければと思います!(長尾)





2012年9月22日土曜日

「LITTLE EXPO」



9月8日から17日にかけて神田で開催されたアートイベント「LITTLE EXPO」に美学校とアートのレシピ生が参加しました。

LITTLE EXPO」は、神保町、水道橋、小川町エリアにある古本屋、ギャラリー、飲食店、ショップ、美容室などが協力して行うアートイベントで、2008年より毎年開催されてきました。今年で5回目の開催となるその「LITTLE EXPO」に、展示会場として美学校が初参加し、アートのレシピの修了生と現役生がホワイトカレーのお店「チャボ」で展示を行いました。


▼まず会場となった美学校では、宮崎友湖さんと坂本洋一が本棚を展示スペースとして、素敵な展示をしてくれました。


▼展示のタイトルは「shared image」。葉っぱの上に集まった雨粒をイメージし、アクリル樹脂で雨粒の一つ一つを再現、キラキラ光る小さなアクリル樹脂が集まって葉っぱの形をなしています。





光の当たり方で見え方が変わる繊細でとても素敵な作品でした。


▼そして会場変わって神保町の裏路地にあるホワイトカレーのお店「チャボ」では、アートのレシピ生9名の各個展が日替わりで開催されました。



展示はお店の営業が終わる16時から始まり、毎日23時頃まで開いていました。お店の中はこんな感じ↓ 展示は2階で開催されています。


▼そして名物のホワイトカレー。写真だとシチューみたいに見えますが、味はれっきとしたカレー。とっても美味しかったです。


▼ 二階に上がると展示が。最終日は全員の展示とパフォーマンスが行われました。




▼ 展示だけでなくパフォーマンスも行われました。写真は浦元広美さんと宮崎浩さんによる体験型パフォーマンス。




お越しいただきましたみなさんありがとうございました。リトルエキスポでは美学校とチャボ以外にも色々なお店で様々な展示が行われていました。

10月には小川町にある旧電機大ビルで開催される「TRANS ARTS TOKYO」に美学校から「絵と美と画と術」と「天才ハイスクール!!!!」のメンバーが参加予定ですので、そちらの方も楽しみにしていてください。(皆藤)


2012年6月12日火曜日

きっさこ×美学校 版画の人たち・大小品展


6月2日から10日まで美学校の近くにある喫茶店「きっさこ」にて、美学校版画工房の有志による小品展が開催されました。


きっさこは古民家を利用して作られた昭和の雰囲気漂う喫茶店で、美学校の人たちにも親しまれてきましたが、取り壊しのため6月下旬にて閉店することとなりました。

今回出品した美学校の版画の人たちは、美学校でそれぞれシルクスクリーン石版画(リトグラフ)銅版画を学んだ人たちです。

▼ 下の写真は店内の様子です。奥の壁一面に展示されているのが、今回の出品作品です。


▼ 写真左の赤と紺の作品は「シルクスクリーン工房」と「絵と美と画と術」を修了したますこえりさんの作品です。




▼ 入口の吹き抜けに展示された大きな作品は、銅版画工房講師の上原修一さんの作品です。


リトグラフ工房出身のタカダ緑里さんの作品。小さい屏風と富士山の小品がとっても素敵でした。




▼ こちらはリトグラフ工房講師の増山吉明さんの作品です。


▼ ますこさんのポストカードも販売されていました。ちなみにますこさんのは現在イラストレーターとして活躍していて、ますこさんのwebサイト「マスコ画帖」にも素敵な作品がたくさん出ていますので、よかったらのぞいてみてください。


▼ 最後の三日間は来場者に小品がプレゼントされました。この展示のために上原さんが刷ってくれたオリジナル作品で、きっさこのスタンプが入っています。全47枚全て絵柄が違います。



という感じでした。他の写真をFacebookの美学校ページにもアップしているので、そちらも是非ご覧下さい。

お越しいただきましたみなさん、そして素晴らしいスペースを提供してくださったきっさこさんどうもありがとうございました。きっさこは6月下旬まで営業しているそうです。今回お越しいただけなかった方も是非足を運んでみてください。(皆藤)

2012年6月8日金曜日

特別講座「未来へ号バスツアーぶらり不思議発見」第2回

 6月6日に未来へ号バスツアーの第二回が開催されました。今回のツアーの目的地は富士サファリパークです。

朝九時に美学校に集合して、遠藤一郎さんのレクチャーを受けた後未来へ号へ乗りこみます。一郎さんから出された課題はデジカメやケータイのカメラでツアー中に心に残った何かの写真を一枚撮ってくること。



▼ バスの中はこんな感じです。今回は常時ハゲカツラをかぶっている(!)彩香ちゃんも参加してくれました!


▼ サファリパークの前に忠ちゃん牧場という牧場に寄って、アイスを食べたり、連凧をあげたり。






▼ サファリパークに到着です。未来へ号の中から見るヒグマ。けっこう怖い顔をしてました。



▼ そして大野路温泉へ。 


▼ 女子風呂には天空風呂もありました。外から丸見えでしたが、、、


▼そして集合写真


▼ 美学校に戻ってきて一人ずつ課題を発表。参加者一人一人がそれぞれの視点で写真を撮っていて、色々な写真があってとても面白い課題発表となりました。


▼ 偶然居合わせた信長くんのプレゼン。彼は自転車で全国を回る「天下統一プロジェクト」という活動をしていて、茨城県を回ってちょうど東京に帰ってきたところでした。



という感じで今回も充実したバスツアーとなりました。次回は秋開催の予定です。是非ご参加ください。(皆藤)

2012年5月26日土曜日

会田誠のワンカップナイト&絵と美と画と術&細密画教場

さてさて、更新が途切れていた広報室ブログの久々のポストです。

今回は昨日開催された会田誠さんの特別講座と「絵と美と画と術」と「細密画教場」の初回の授業ついて書いていきたいと思います。ずっと途切れていたこのブログですが、4月は開講式を始め、美学校でたくさんイベントがあったので、それらについても今後少しずつまとめていきたいと思います。

さて、昨日第一回目が開催された会田さんの特別講座ですが、講座名が「会田誠のワンカップナイト〜野暮な話は抜きにして〜」となっているように、会田さんと美学校藤川代表を囲んだ飲み会のような講座となりました。

写真を見るとただの飲み会にしか見えませんが、これを講座といって開催してしまうのが美学校のいいところ。参加者は美大生から社会人まで色々な人がいて、それぞれ初対面にも拘らず、買出しに一緒に行ったりととっても楽しい夜となりました。


そして隣の教室では「絵と美と画と術」第四期の初回授業が行われていました。講座後はもちろん合流して結局盛大な飲み会に(笑)。


そんな飲み会ばっかりやっているように思われがちな美学校ですが、さらにその隣の教室では細密画教場の授業が行われていたりします。

▼写真中央は講師の田嶋徹さんです。



▼細密画教場4年目の渡辺さんの制作風景です。



という感じで一つの場所で色々な事が起こってしまう、とある美学校の1日でした。

会田誠さんは11月から森美術館で大規模な個展も予定されています。個展開催にあたり、「会田誠:平成勧進プロジェクト」という参加型のプロジェクトも行われていますので、そちらのサイトもよかったらのぞいてみてください。(皆藤)

2012年3月7日水曜日

天才ハイスクール!!!! 第二回展覧会「クランクイン!―映像とかもう別にいいよ、石でもいいよ―」

去年に引き続き、素人の乱12号店で天才ハイスクール!!!!の第二回展覧会が開催されました。会期は3月2,3,4日の三日間で、今回の展覧会は映像作品のみの映像祭となりました。
映像際というだけに会場はミニシアターのようなセッティングとなっており、上映開始時間も決まっていて、各日の上映後にはゲストを交えたイベントも開催されました。

▼今回のフライヤーです。


▼今回の会場となった高円寺素人の乱12号店の入口。


▼会場に足を踏み入れると出品者の涌井さんがDJをしていました。


 ▼宮嵜浩さんの作品です。自身が小学校の時に先生に言われた思い出の言葉を高架橋の上から延々と叫んでいる映像です。これはとても面白かったです。


▼キュンチョメさんの作品。自身が花輪となり、街中の見ず知らずの人に何か祝い事がないか聞いて、それを祝っています。


▼大島さんの作品。自身の母親とたわいのないやりとりを撮っただけ映像ですが、なぜが見てる方は温かい気持ちさせられます。


▼涌井さんの作品です。さて渋谷ハチ公前で一体何をしているのでしょうか?


▼上映後には、出品者による解説もありました。下の写真では、臼井知菜美さんが自身の映像、一円玉を落としましたよと道行く人に声を掛けて渡していく映像、について話しています。


▼最後には志水さんと佐藤さんが国家の替え歌を歌うというパフォーマンスも見れました。私は1部しか見れなかったのですが、2部の後にはゲストを交えたトークや、天才ハイスクールのメンマーによるパフォーマンスも行われたようです。


▼昨年の第一回展覧会に引き続き、今回もディレクションを務めた中村奈央さん。


▼最後に天才ハイスクールメンバーの集合写真です。


今回は映像だけの展覧会でしたが、その分一つ一つの作品を集中して見ることができ、とても充実した展覧会となっていました。天才ハイスクールでは、4月の後半に次の展覧会を開催する予定だそうです。こちらもご期待ください。(皆藤)